探訪・消えゆく原風景「稲杭」 山形県山辺町「大蕨の棚田」
Автор: 産経ニュース
Загружено: 2012-10-13
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秋の穏やかな日差しを受けて杭にかけられた稲が輝く。その姿は、もこもこした柔らかい毛皮のよう。辺りにはトンボが舞い、バッタが跳ねる。足元に転がる栗...。山形県山辺町にある大蕨(おおわらび)の棚田では、規則正しく並んだ稲杭が、深まる秋を感じさせていた。
稲杭は刈り取った稲を杭にかけて2~3週間、天日干しする手法。コンバインで一気に刈り取り乾燥機にかけるのと違って、風情があふれている。
しかし、こんな日本の原風景も風前のともしびだ。農家の高齢化に歯止めがかからず、後継ぎも確保できない現実。棚田農家の平均年齢は70歳代半ばとも。農家の人が体を壊したり亡くなるたびに、ひとつ、またひとつと田が消えていく。稲杭は最近10年で3分の1に減った。「この眺めもいつまでもつか...」。地元農家の人たちは口をそろえる。
棚田の農作業は高齢者に厳しい。田が狭く高低差もあるため、ほとんどが手作業になる。大型機械は小さな田んぼで使えず、投資に見合うだけの収穫も期待できない。
杭にかけられた稲は、じっくりと干すことで確実においしくなる。が、杭がけの労力から生まれる味が、出荷価格に反映されることはなかった。これも、後継者になる決断をする人が少なくなった理由の一つになっているという。
故郷の景観を守ることが生活に結びつかない無念。町と協力し、地元では耕作されなくなった田を希望者に格安で貸し出すなど、知恵を絞った企画を打ち出したが、劇的な効果は上がっていない。
「早ければ、あと3年でなくなっちゃうよ」。農作業を終えた武田二男さん(65)が、田んぼを見つめながらつぶやいた。(写真:文 写真報道局 大里直也)
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