2026年1月15日黒木健一第四句集「過客Ⅳ」Vol.34 季語散策第十五話『仮説/芭蕉の恋』
Автор: 初句集『過客』黒木健一
Загружено: 2026-01-14
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୮市振(いちぶり)」は越後と趣中の国境にある。
親不知の難所を越えて市振の宿桔梗屋に泊まる。
宿に待っていたのは、門人園女(そのめ)と侍女の二人。
園女は誉れ高き美女であった。
芭蕉は二人の長旅の無事と、園女の清楚な人柄を讃え句を詠んだ。
「白菊の目に立てて見る塵もなし」
斯波(しば)一有の妻であった園女は
「お伊勢参り」を口実に旅先での芭蕉との逢瀬を願っていた。
曾良と侍女を桔梗屋に残し二人は人里離れた一軒家に宿をとった。
芭蕉はこの体験と西行の江口の遊女との和歌のやりとり
謡曲「江口」を元に「おくの細道」の一節とした。
曾良の「旅日記」にこの記述がないことから
創作だろうと言われているが「舌頭千転」の芭蕉。
後世これが創作であると読まれるように周到な準備をしたのである。
芭蕉が「おくのほそ道」で最北の目的地として訪れたのは「象潟」
雨に濡れている可憐なねむの花に中国の悲劇の美女西施と
もうすぐ再会するであろう園女を重ね
「象潟や雨に西施がねぶの花』
と詠んでいます
当時恋は人情の最上のものとして重んじられていました。
旅においてどこかで恋の旬を入れたかった。
現実の恋を創作として昇華させたのだ。
園女はその後剃髪し六十二歳の生涯を終えている。
「一家に遊女もねたり萩と月」
※この物語は、フィクションです。
原稿&構成:黒木健一
#過客 #黒木健一 #俳句
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