【朗読】諸田玲子「第四話 縁の白菊」（シリーズ2作目『蛍の行方 お鳥見女房』より）～オーディオブック～　朗読：京谷由香里

Описание: 連作短編集、お鳥見女房シリーズの2作目『蛍の行方 お鳥見女房』より、第四話をお届けします。珠世の次女、君江は菅沼隼人と菊見に行く予定で出かけたが、思わぬ災難が降りかかる。

御鳥見役は江戸幕府歴代将軍が鷹狩を愛好した事から、若年寄の支配に属し、鷹場を巡邏して、鷹に捕獲させる鳥の群生状態を確かめる役目を果たした。また、大名屋敷・旗本屋敷・寺社・幕府領など、どこでも立ち入ることが許されていたため御庭番と同様に、動静を監視する役割があったと言われている。そんな御鳥見役という仕事を代々受け継ぐ矢島家で、内助の功を発揮する珠世と家族達の物語。

＊作家 諸田玲子さまの承諾を頂き、ご厚意により公開いたします。
　『蛍の行方　お鳥見女房』（2003年1月）新潮社　所収
🌹諸田玲子さまのオフィシャルサイト　http://www.r-morota.net/


◎主な登場人物
　矢島伴之助　　御鳥見役。珠代の夫で矢島家の婿養子。性格はきわめて温厚で律儀
　　珠世　　　　伴之助の妻で久右衛門の娘、４人の子供の母。矢島家の中心的人物
　　久右衛門　　代々御鳥見役を継ぎ、現在は隠居
　　久太郎　　　長男。御鳥見役を継ぐべく見習い役として出仕
　　君江　　　　次女。行儀見習い中
　沢井多津　　　小田原藩重臣だった父の仇と石塚源太夫のことをつけ狙っていたが、今では許婚
　菅沼隼人　　　久之助の幼馴染みで同じ道場の門下生
　おさん　　　　茶屋の娘
　与助　　　　　染井村の植木職人の息子で菊づくりの職人

▼耳で聴くだけではわかりづらい文中の表記、意味などについて
干葉（ひば）大根の茎や葉を天日干しや陰干しにして乾燥させたもの
別嬪（べっぴん）美しい女性を表す言葉
菊見（きくみ）旧暦9月9日は、五節句の一つである「重陽（ちょうよう）の節句」で菊が咲く季節に行われることから「菊の節句」とも呼ばれ、菊の花を飾ったり、菊酒を飲んだりする習慣がある
同道（どうどう）連れ立って行くこと
家僕（かぼく）家の雑用をするために雇われる男。下男
豪胆（ごうたん）度胸がすわっていて、ものに動じないこと
専心（せんしん）心を一つのことにだけ集中すること。専念
床几（しょうぎ）　店先や町家の軒先に出す縁台を床几と呼んだ
小体（こてい）こぢんまりしていること。つつましいこと。質素なこと
満天星躑躅（どうだんつつじ）ツツジ科の落葉低木。 4月から5月の春の時期に花をつけ、夏は涼やかな緑の葉を、秋には紅葉を堪能することができる
熟考（じゅっこう）念を入れてよく考えること
頑是ない（がんぜない）まだ幼くて物の道理がよくわからないさま、あどけない子供
一皮目（ひとかわめ）ひとえまぶた
闖入者（ちんにゅうしゃ）ことわりもなく、突然に入り込んでくる人
危急（ききゅう）危険な事態が目前に迫っていること
怒声（どせい）怒ってどなる声
辻（つじ）道路が十文字に交差している所、交差点
狼藉者（ろうぜきもの）乱暴な振る舞いをする人
咆吼（ほうこう）獣が激しい勢いで咆えるように泣くこと
苦悶（くもん）苦しみもだえること
羞恥（しゅうち）恥ずかしく思うこと。恥じらい
輩（やから）仲間、連中
嘱望（しょくぼう）前途・将来に望みをかけること
懇意（こんい）打ち解けて仲よくしていること

♫ お好きな場面からお聴きいただけるように ♫
（青字の数字をクリックしていただくと、そこから始まります）
　
　　　一　 　 00:28　　　　
　　　二　　 9:14
　　　三 14:18
　　　四　　 22:20
　　　五 51:07
　　　六 58:58

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