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津波に流された店、仲間の犠牲…消防団長と菓子店主、2つの顔で故郷を守る震災15年の歩み 岩手県宮古市 

Автор: menkoichannel

Загружено: 2026-03-10

Просмотров: 509

Описание: 東日本大震災から15年。
岩手県宮古市田老で菓子店を営む傍ら消防団員を務める男性は、コロナ禍などで店の経営に頭を悩ませながらも、まちを災害から守るため奔走し続けています。

うずまき模様のかりんとうを作っているのは田中和七さん(71)です。宮古市田老で103年続く「田中菓子舗」の3代目です。

家族で営む菓子店では、店の名物で大正時代から続くという「田老かりんとう」を作り続けています。

田中和七さん
「私にこれ(かりんとうの作り方)を教えてくれたおふくろに、震災前に亡くなったおふくろに、これだったら顔向けができるかなと。そんな気持ちで(作っている)」

東日本大震災から15年、その道のりは決して平たんなものではありませんでした。

震災当時、海岸から約300mの場所にあった田中さんの自宅と店、それに工場は津波によって流されました。

震災から2年後の2013年、工場は元の場所から離れた地域に再建しました。
元の場所はかさ上げ工事が必要となり、営業再開に向けて待つことができなかったのです。

結局、震災前同じ敷地にあった自宅・店・工場はそれぞれ別の場所で再建することになりました。

田中和七さん(当時2014年)
「津波を見てしまった家族は、もっと安全なところに住みたいというこで、(家は)高台の方を希望した」

建設費の高騰もあり予定よりずれこみましたが、2016年に高台に自宅を、2017年には市街地に新しい店を構えました。

ようやく復興が進んできた矢先、今度は新型コロナウイルスの影響を受けました。

田中和七さん(当時2020年)
「1週間のうち5日はかりんとうを作っている前提で(借金の)返済計画を立てたが、今では週に3回やればいい方かなという感じになっている」

売り上げはコロナ禍前の半分以下に落ち込み、7人いた従業員も休ませざるをえませんでした。

新型コロナウイルスが収束した現在も、地域の人口の減少や物価高に悩まされ、経営環境は厳しさが続いています。

震災後、何度も壁にぶつかりながらも田中さんはかりんとうを作り続けています。

田中和七さん
「やっぱりお客さんが待っている、必要とされているっていう部分は、復興するときには一番大きい力になった」

田中さんはもう一つ、宮古市消防団の分団長としての顔を持っています。

3月8日は、93年前の昭和三陸地震の発生時刻に合わせて、夜間の避難訓練が行われました。

田中さんは、地区の中心部にある道の駅から約1.4km離れた高台の公園まで車いすを使って避難する人たちを誘導します。

田中和七さん
「(訓練を)やり続けることで、いざっていう有事の際に迷わず行動をとれる」

巨大な防潮堤が築かれ、防災のまちと言われていた田老地区では東日本大震災で181人が犠牲となりました。(2012年時点)

震災後、住宅は高台に移されましたが、田中さんは備え続けることの重要性を訴えます。

田中和七さん
「自分の命を守るのには、自分が一番(避難の仕方を)知っていなければいけない。そういう意味では、ずっと何らかの形で、訴え続けていきたいな」

強い思いを持ち続ける背景には、15年前のつらい体験がありました。

2026年1月、田中さんは全国の防災関係者を対象としたオンライン講演会で講師を務め、当時の出来事を語りました。

田中和七さん
「『できることから始めよう』と、指示を出していました。泣くっていうこともしませんでした」

宮古市田老地区の消防団では10人の犠牲者が出ました。
その現実を受け止めきれない中、3カ月救助活動を続けたといいます。

田中和七さん
「私たちの仲間も10名の犠牲者が出ました。いまだに見つからない1人の消防団員もいます。私の知っている人なので、その家族のことを思うとやるせない」

“あの日を繰り返してはならない”
田中さんは地元の子どもたちにも教訓を伝えています。

3月4日には、田老第一小学校の6年生に講話を行いました。田中さんは13年間、この講話を続けています。

田中和七さん
「最終的には命です。復旧・復興って生きている人しかできないので」

田中さんが児童に配ったものがありました。
震災の際、田老で浸水した区域を示す地図と、災害時に取るべき行動がまとめられています。

震災を知らない子どもたちが増える中、手法を変えながら伝承活動を続けてきました。

6年生の児童
「田中さんの(見た)光景みたいなのが、ちゃんと頭に思い浮かんで、少し胸がいっぱいになった」
「今生きている自分たちも、命と向き合って復興していきたいと思った」

田中さんの思いは、子どもたちに真っすぐ届いていました。

震災から15年、田中さんの今一番の願いは田老のまちの活性化です。

田中和七さん
「一人でも多くの子どもたちが、一度は離れてもこの町にできれば戻ってきて、この田老っていうところをより良い町にしてもらいたい」

消防団の分団長として、菓子店の店主として、田中さんはこれからも愛するふるさとのため自分なりの取り組みを続けていこうとしています。

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